上宇部のプロフィール
中国地方8ヶ国(備中・備後・安芸・周防・長門・石見・出雲・伯耆)の大名だった毛利氏は、関が原の戦い以後、領土を周防・長門の2ヶ国に縮小されました。その後の知行替えで、福原氏が寛永2年(1625)に寒村だった宇部の領主として配置され、上宇部中尾に邸を構え治世を始めるようになってから、上宇部は政治・経済の中心としての役割を持つようになりました。
延徳元年(1489)に創建された教念寺は、万治3年(1660)、福原家により現在の地を賜り再建され、「阿弥陀仏を信じればすべての人が救われる」という浄土真宗の教えによる信者の増加で、人々が大勢お参りするようになると「市」がたち、門前町として賑わってきました。当時の幹線道路も、山門~寺の前~梶返~岬に続く南北道路と床波浦~今村~黒岩~開~山門~寺の前~宇部本川(現在の真締川)を超えて小串・藤曲へ続く東西道路が交差し交通の重要な位置を占めていました。
また、教育の面では、天保年間(1840年頃)に郷校として中村に晩成舎を設け、後に現在の福原邸跡に菁莪堂を開設し家臣の教育機関としましたが、越後公は、菁莪堂を廃して執事堂とし、萩の中屋敷を福原邸の南に移し元治元年(1864)4月に維新館と改称。文学教育、武術教育(弓、馬、刀、槍術)、とりわけ練兵場にての軍事教練を重視し西洋銃陣などの稽古には一般の家臣も参加しました。また正門そばには、武士の家庭の幼年舎とも云うべき寺子屋式の付属建物がありました。 ※ 菁莪 = 人材を教育すること 維新 = すべてが改まって新しくなること (詩経より)
明治5年(1872)、学制が公布されると翌年には、宗隣寺を仮の校舎として小学校が開かれ、その後、教念寺に移りましたが、明治7年(1874)、中尾に宇部で最初の小学校が新築されました。
大正9年(1920)には、日本初村立の宇部中学校(現在の山口県立宇部高等学校)が開校しました。現在では、校区内に宇部工業高等専門学校、山口大学工学部があり、文教地区としても環境良好な地域です。 炭鉱で働く人たちの流入による明治後半からの急激な人口増加に伴い、大正10年(1921)、宇部村は一躍宇部市となり、2021年11月は、記念すべき市制施行100周年を迎えます。
宇部市民の産土神として、信仰の厚い琴崎八幡宮へ通じる参宮通りは、かって石炭を港まで運んだ津出し道を基盤としており、宇部で初めて石炭を運んだ蒸気機関車が走った道でもあります。
このように「宇部発祥の地」としての誇りをもちながら、現在人口約13,000の住民は「地域はひとつの大家族」をスローガンに、心豊かな住みよいコミュニティづくりに積極的に取り組んでいます。
1889 | 明治22 | 4月1日 町村制施行により現在の宇部市域の自治体が成立。厚狭郡宇部村 |
1914 | 大正3 | 宇部軽便鉄道 宇部-宇部新川間開通 |
1920 | 大正9 | 宇部村立宇部中学校(現山口県立宇部高等学校)開校 |
1921 | 大正10 | 11月1日 宇部市誕生 厚狭郡宇部村が村制から町制を経ずに市制施行 |
1921 | 大正10 | 宇部軽便鉄道が宇部鉄道に社名変更 |
1925 | 大正14 | 宇部共同義会と渡邊祐策の寄付金で常盤池畔1,775坪を購入し市に寄贈。常盤公園開園 |
1925 | 大正14 | 9月1日 宇部鉄道(現・JR宇部線)宇部-小郡間全線開通で全通式を挙行 |
1928 | 昭和3 | 常盤公園で大仕掛け花火(園内に建設された金刀比羅宮落成式と桜山開場を祝い) |
1929 |
昭和4 | 宇部電気鉄道(現・JR小野田線)宇部-小野田間開通 |
1931 |
昭和6 | 厚狭郡藤山村を編入 |
1933 |
昭和8 | 宇部港完成 |
1934 |
昭和9 | 11月1日 市制記念祝賀行事として炭都祭開催 |
1935 |
昭和10 | 炭都祭を改称して第1回石炭祭(「宇部まつり」の原型) |
1937 |
昭和12 | 4月 渡辺翁記念会館竣工 |
1941 |
昭和16 | 厚狭郡厚南村を編入 |
1941 |
昭和16 | 恩田運動公園完成 |
1941 |
昭和16 | 12月1日 宇部鉄道、宇部電気鉄道を合併 |
1942 |
昭和17 | 周防灘台風が宇部市に上陸 厚東川が決壊して約84,000人が罹災 |
1943 |
昭和18 | 5月1日 宇部鉄道全線が国有化された |
1943 |
昭和18 | 吉敷郡西岐波村を編入 |
1945 |
昭和20 | 宇部大空襲 |
1950 |
昭和25 | 厚東川ダム完成 |
1951 |
昭和26 | 常盤通りに50メートル道路完成 |
1952 |
昭和27 | 石炭祭を17年ぶりに復活 |
1954 |
昭和29 | 厚狭郡厚東村・小野村・二俣瀬村、吉敷郡東岐波村を編入 |
1955 |
昭和30 | 船木町 万倉村 吉部村が合併して楠町誕生 |
1955 |
昭和30 |
宮大路動物園開園 |
1958 |
昭和33 |
常盤公園に遊園地ができる |
1959 |
昭和34 |
俵田翁記念体育館落成 |
1961 |
昭和36 |
常盤公園で第1回野外彫刻展(UBEビエンナーレの前身)を開催 |
1963 |
昭和38 |
第18回国民体育大会夏季大会(山口国体)が県下で開催される |
1964 |
昭和39 |
宮大路動物園閉園(常盤公園内の動物園として引き継ぐ) |
1966 |
昭和41 |
7月1日 宇部空港(現山口宇部空港)開港 |
1967 |
昭和42 |
宇部興産㈱宇部鉱業所が閉山、石炭の採掘が終わる |
1969 |
昭和44 |
石炭記念館開館 |
1972 |
昭和47 |
市花をサルビア、市木をクスノキに制定 |
1975 |
昭和50 |
宇部市環境保全センター完成 |
1975 |
昭和50 |
山口宇部有料道路開通 |
1979 |
昭和54 |
宇部市文化会館完成 |
1980 |
昭和55 |
11月21日 ニューカッスル市と姉妹都市締結 |
1983 |
昭和58 |
宗隣寺の庭園が国の名勝に指定 |
1985 |
昭和60 |
国内初の人工ふ化によりモモイロペリカンのカッタ君が誕生 |
1991 |
平成3 |
常盤湖水ホール開館 |
1992 |
平成4 |
5月18日 中国 威海市と友好都市締結 |
1995 |
平成7 |
宇部市リサイクルプラザ完成 |
1995 |
平成7 |
常盤公園に熱帯植物館が開館 |
1995 |
平成7 |
アニメ映画「カッタ君物語」公開 |
1998 |
平成10 |
男女共同参画宣言都市となる |
2001 |
平成13 |
山口きらら博に単独パビリオン「未来フロンティア宇部市館」を出展 |
2004 |
平成16 |
11月1日 厚狭郡楠町と合併 |
2005 |
平成17 |
渡辺翁記念会館が国の重要文化財に指定 |
2007 |
平成19 |
緑と花と彫刻の博物館(ときわミュージアム)が開館 |
2008 |
平成20 |
常盤公園が登録記念物に登録される |
2009 |
平成21 |
真締川ダム完成 |
2010 |
平成22 |
ヒストリア宇部(旧宇部銀行館)オープン |
2011 |
平成23 |
第66回国民体育大会・第11回全国障害者スポーツ大会開催 |
2013 |
平成25 |
宇部湾岸道路藤曲ICー東須恵IC間開通 |
2018 |
平成30 |
SDGs未来都市に選定される |
2019 |
平成31 |
ノーベル生理学・医学賞受賞の本庶佑教授に本市初の市民栄誉賞を授与 |
2019 |
平成31 |
4月4日 スペイン カステジョ・デ・ラ・プラーナ市と姉妹都市提携 |
2021 |
令和3 |
市制施行100周年 |
※ 『宇部市制施行100周年記念サイト』より